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相続前でお悩みの方へ【相続手続・共有持分・遺産分割・家族信託】
不動産相続では事前の対策がとても大切です。何も対策していない場合、どんなに仲の良かった家族・親戚でも大きなトラブルになる可能性があるためです。また、相続では手続きも面倒で手間取りやすいため、事前に調べておくことが肝心です。
ここでは相続前に準備・確認すべきこと、不動産相続の手続き方法、相続に必要な書類、トラブル事例、家族信託について解説します。
相続前に準備しておきたいチェックリスト
普段から仲の良い家族・親戚であっても、相続になるとトラブルになりやすいものです。遺産が金銭のみであればスッキリと分割できるため、多少揉めても話し合いで解決できることでしょう。しかし、相続財産が不動産の場合、分割がしにくく話し合いもこじれやすくなります。
平成27年の最高裁判所の調査によると、「遺産分割調停事件」のうち75%以上が相続財産5,000万円以下のご家庭で起こっているのだそうです。つまり、相続トラブルは意外と身近に起こるものといえます。
相続で揉めてしまうことのデメリットは相続手続きが長引くことです。遺産分割協議で合意が得られなければ遺産分割調停を行わなければなりませんし、遺産分割審判にまで発展する可能性もあるためです。また、肉体的・精神的にとても疲弊しますし、大切な家族・親戚間で癒やすことのできない深い溝ができる場合もあります。
遺産相続でなるべく揉めずにスムーズに手続きを進めるためにも、ぜひ事前に準備を行いましょう。
資産目録を作成しましょう
被相続人が存命のうちに相続について話し合いをし、その流れで事前に資産目録を作成しておきましょう。不動産・預貯金・有価証券といったプラスの資産はもちろん、住宅ローンや借入金などマイナスの資産もまとめておくと、相続をスムーズに進められます。
相続税について確認しましょう
2015年に相続税法が改正され、税率の引き上げと基礎控除の引き下げが行われました。そのため、相続税対策をするのがいまでは一般的です。相続税がかからない場合もありますので、資産目録を基に計算するなど事前の確認をしましょう。
法定相続人を明らかにしましょう
相続手続きをスムーズに進めるためには、法定相続人を明らかにすることが大切です。もし遺産分割協議後に新たな相続人が発覚すると、一からやり直しとなるためです。また、遺言書の有無を確認し、他に相続人として指名されている人がいないかもチェックしましょう。
不動産の相続に関する手続き方法
不動産の相続において、なるべく揉めずにスムーズに手続きをすすめるためには、その流れを理解しておくことが大切です。特に相続手続きは法的知識も必要となり、何も知らない状態では戸惑いやすいでしょう。ここでは遺産分割による相続登記について説明いたします。
- STEP01相続する不動産の情報を集める
- まずは「固定資産納税通知書」「登記済権利証」「登記簿謄本」を参考に相続対象となる不動産の情報を集めます。
- STEP02戸籍謄本
- 相続人の確定や名義変更手続きの際に必要となるため、被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本を取り寄せます。戸籍謄本があれば相続の発生や相続関係の証明ができます。
- STEP03遺産分割協議を行う
- 遺言書がない場合は相続人同士で、誰がどの不動産をどのような割合で相続するのかを話し合います。売却する場合はその代金をどのように分配するのかもここで決定します。
- STEP04相続登記申請手続きに必要な書類の作成
- 遺産分割による相続登記では申請手続きのために「相続関係説明図」「登記申請書」「遺産分割協議書」といった3つの書類を作成する必要があります。
- STEP05法務局へ登記申請を行う
- ここまでに集めた資料、作成した書類をまとめて法務局へ提出します。窓口・郵送・オンラインの3パターンで申請が可能です。オンラインは導入までにやや手間がかかるため、窓口または郵送がおすすめです。
不動産の相続で必要な書類
必要となる書類は以下の通りです。
- 戸籍・除籍・改製原戸籍謄本(被相続人の出生から死亡までのもの)
- 戸籍附票または住民票除票(被相続人のもの)
- 戸籍謄本(相続人全員分)
- 遺産分割協議書
- 遺言書(ある場合)
- 印鑑証明書(相続人全員分)
- 住民票(不動産を相続する相続人のもの)
- 固定資産税評価証明書:最新年度のものが必要であるため、市区町村役場等で取得しましょう。
- 登記事項証明書(相続不動産のもの):最新のものが必要であるため、法務局で取得しましょう。
- 相続登記申請書:相続登記を法務局に申請する書類で司法書士へ作成依頼することが多いです。
共有持分は売却できる?
共有持分とは1つの不動産を複数人で共有している場合、それぞれが持つ所有権の割合のことです。似た言葉に共有名義がありますが、こちらは権利ではなく「名義人が複数いる事実」を表します。
不動産全体ではなく共有持分のみを売却することは独自の判断で可能です。しかし不動産の一部の権利のみを買っても扱いに困るため、第三者への売却は現実的ではありません。
家族信託による権利譲渡の方法
家族信託とは?
家族信託とは、2007年に施行された改正信託法により生まれた財産管理の新しい形です。財産の管理や運用を自分の家族に任せることができる信託契約となります。
たとえば、認知症やその他病気・怪我により物事が判断できなくなってしまう前に、子どもに財産の管理を任せるとともに利益の引き継ぎを行うと決断したとします。この場合、親は財産を預ける「委託者」、子どもは財産の管理・運用を行う「受託者」と財産によって発生した利益を受け取る「受益者」となるわけです。
家族信託は契約内容を柔軟に設定でき、遺言書や後見制度では実現が難しかった自由度の高い財産管理を実現できるのが特徴です。
不動産を家族信託にする際のメリット・デメリットは?
家族信託は契約内容を柔軟に設定可能であり、相続のトラブルを回避しやすくなります。
たとえば、被相続人である委託者が亡くなっても財産の管理権は受託者にあることがはっきりしています。さらに、受益者への分配を自由に設定できるため分割協議等で揉める必要がありません。また、一次相続までしか指定できない遺言書と異なり、家族信託は2代先の財産先まで指定できます。
ただし、家族信託では受託者に権利が集中するため、他の相続人から不満が出る可能性は否めません。また、信託契約の内容に記載漏れや誤りがある場合、思うように運用できなくなる可能性があります。実際に家族信託を利用する際には注意しましょう。
兄弟での相続トラブルを避ける遺産分割の方法
不動産は現金での相続に比べてそのままでは分割することが難しく揉める可能性が高いものです。たとえ仲の良い兄弟姉妹でもトラブルになることは珍しくありません。
ここでは不動産分割の分割方法「換価分割」「代償分割」について解説します。
換価分割
不動産を売却し、現金に換価して相続人同士で分割することを換価分割と言います。 換価分割をする際はまず売却を進める代表者を不動産の名義人とします。その後、現金を遺産分割協議書に従って分割します。 遺産分割協議書には売却利益の分配の規定を必ず記載しましょう。そうしないと分割時に、贈与税が課せられる可能性があるためです。
代償分割
不動産を取得した相続人がその他の相続人へ、代償金を支払う形を代償分割と言います。 たとえば被相続人の自宅に同居していた相続人が住み続ける場合などに利用される方法です。土地や建物をそのまま取得できつつも公平かつスムーズに分配できるのがメリットです。ただし代償金を支払う相続人には資金力が必要となります。
権利譲渡・譲受時のトラブル事例
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